憲法改正案の取りまとめを先送りする民主党


 2004年1月13日の民主党大会で、当時の代表の菅直人氏は「2006年までに民主党の憲法改正案を国民に示したい」と述べた。
すでに自民党は、2003年の総選挙の際に示した政権公約で「立党50年を迎える2005年に憲法草案をまとめる」と国民に約束し、新憲法草案を発表している。
それにもかかわらず民主党は、政権交代を強調しながら、自民党よりも1年も遅く憲法改正案をまとめると主張したのだ。

そして今年は2006年。
「いよいよ民主党も憲法改正案発表か!?」と思いきや、小沢一郎氏が代表になると、突然、方向転換。
幹事長の鳩山由紀夫氏が、4月21日の記者会見で、憲法改正に向けた段取りについて「条文単位で党の考えを高めていく必要がある」とした上で、「例えば最終的に決めかねている安全保障や9条の部分に関して、条文にまとめていく作業を、少なくとも来年には行うことが必要ではないか」と述べたのだ。
そして、22日から各地で「憲法対話集会」を開き、「憲法提言」について党員や支持者から意見を聞くことにするという。
つまり、民主党は、憲法改正案の策定を来年に先延ばすというのだ。

民主党は、「偽メール問題」でも、党の検証チーム座長の玄葉光一郎氏は、3月31日の記者会見で「4月10日をメドに、外部の調査チームによる報告書を公表する」と言って、期限を2週間以上過ぎても出していない。
いくら衆議院千葉7区補欠選挙に不利だとはいえ、約束を守らないのは国民への裏切りである。

今回の憲法改正案の先延ばしは、来年の参議院議員選挙を目論んだもの。
つまり選挙前に党内で憲法の取りまとめしたら、郵政民営化の時と同じように賛成派と反対派の二派を抱え、意見集約できず、寄せ集め政党との批判をマスコミから受け、国民の支持を失うことが避けられないからだ。
前代表の前原誠司氏は、当初、今年6月までに外交・安全保障ビジョンをまとめると言った。それは、民主党は基本政策で一致できる、政権政党になれるということをアピールしたかったからだ。
ところが小沢氏が代表になってからの民主党は、「選挙に勝ちさえすれば、党内の政策の一致はどうでもいい」という考え方に変わった。


(参 考) 

2004年1月13日
民主党大会で、当時の代表の菅直人氏は「2006年までに民主党の憲法改正案を国民に示したい」と述べた。

2004年11月12日
「憲法提言(仮称)」について、来年3月にまとめる方針を決めた。年内にまとめる予定だったが、衆参両院の憲法調査会の報告とりまとめが来年当初から5月に遅れたのにあわせ、先送りした。(朝日新聞)

2005年2月17日
民主党の憲法改正に向けた基本方針「憲法提言」の取りまとめが、当初予定の来月から4月以降にずれ込む見通しとなったという。(毎日新聞)

2005年4月1日
民主党憲法調査会が改憲案の基本構想となる「憲法提言」の公表時期を5月以降に先送りすることを決めた(日本経済新聞)

2005年10月31日
民主党「憲法提言」(党議決定)

2005年11月4日
民主党は、「06年中に独自の改憲案を提示する」との方針を転換し、先に取りまとめた「憲法提言」を党の基本的な文書として取り扱い、改憲案の条文化は行わない方針を、憲法調査会(枝野幸男会長)役員会で確認した。(共同通信)

2006年4月22日
鳩山由紀夫幹事長は、4月21日の記者会見で、憲法改正に向けた段取りについて「条文単位で党の考えを高めていく必要がある」としたうえで「例えば最終的に決めかねている安全保障や9条の部分に関して、条文にまとめていく作業を、少なくとも来年には行うことが必要ではないか」と述べた。(朝日新聞)

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