防衛庁の省移行Q&A  −危機により強く、世界の平和により役立つ組織に−


 Q1 なぜ防衛庁を省にするのですか?

1 国内的には、阪神・淡路大震災などの大規模災害が相次ぎ、また北朝鮮の弾道ミサイル発射や不審船事案が発生していす。

2 国際的には、湾岸戦争、カンボジア和平、米国同時多発テロ、イラクの復興などの問題に直面してきました。

3 安全保障や危機管理の問題にいかに対処するかが国政の重要な課題となっています。

4 これらの課題に的確に対応していくために、防衛庁を省にする必要があります。

(参考)防衛庁・自衛隊の実績

1 国民の皆さんの安全を守る活動
○ 阪神・淡路大震災、雲仙普賢岳噴火、地下鉄サリン事件、有珠山噴火、新潟県中越地震、集中豪雨などの様々な災害や不審船などに対応する活動を実施
・ 約9千回※活動を実施
・ 約273万人※の自衛隊員が活動に従事
※いずれも阪神・淡路大震災(平成6年)以降

2 世界の平和を実現する活動
○ これまでカンボジア、モザンビーク、ルワンダ、ゴラン高原、東ティモール、インド洋、イラク、スマトラ沖など世界の各地で国際平和協力活動を実施
・ 約20回活動を実施
・ 約3万人の自衛隊員が活動に従事

Q2 庁のままだと何が困るのですか?

1 わが国の行政は内閣が担当し、財政は財務大臣、外交は外務大臣と11の「府」や「省」に主任の大臣が置かれています。

2 「国の防衛」は内閣府の業務の一つになっており、防衛庁長官は防衛庁という組織のトップですが、「国の防衛」の主任の大臣ではありません。

3 このため、内閣府の主任の大臣である内閣総理大臣を通じなければ以下のような重要な仕事をできない仕組みになっています。
@ 国の防衛に関する重要案件について閣議を求めること
A 法律の制定や高級幹部の人事について閣議を求めること
B 予算の要求や執行を財務大臣に求めること

4 省にすることにより、「国の防衛」の主任の大臣として、テロや弾道ミサイル対処などの国民の皆さんの安全を守る活動やイラク復興支援活動などの世界の平和を実現する活動を行えるようになります。

Q3 なぜ今なのですか?

1 省にすることは平成9年以降政治の場で議論が続けられてきました。

2 平成14年には与党で有事法制成立後の最優先課題と位置づけられました。

3 平成16年にはその有事法制も成立し、組織も省とするに相応しい体制に変革しています。

4 こうした経緯を踏まえ、省にすることの議論が行われているのです。 

(参考)省移行をめぐる環境

1 政治の場における議論の進展
○ 平成9年
行革会議での最終報告:「現行の防衛庁を継続する」「新たな国際情勢下にお ける我が国の防衛の基本問題については、政治の場で議論すべき課題である。」
○ 平成14年
自民・公明・保守三党合意:「有事法制成立後において、防衛庁の「省」昇格を最優先課題として取り組む。」
○ 平成17年
自民・公明(2幹事長・2政調会長)、省移行問題につき与党間で議論を開始することを合意

2 有事法制の成立
○ 平成15年 武力攻撃事態対処法など3法の成立
○ 平成16年 国民保護法など7法及び3条約の成立

3 省に相応しい組織への変革
○ 平成18年3月 統合幕僚監部の新設による統合運用機能の強化
○ 平成18年夏  内部部局の大規模な改編による政策立案機能の強化

 → 以上のことから、省移行法案について、国会の場で議論する条件が整備

Q4 わが国の軍事大国化につながりませんか?

1 庁を省にすることは国の中央官庁における位置付けを変えるものです。

2 省にすることで、シビリアン・コントロール、専守防衛、軍事大国とならないことなど、わが国の防衛政策の基本が変わることはありません。

(参考)以下の防衛政策の基本は省にすることにより変わりません

シビリアン・コントロール
 ・文民である内閣総理大臣、防衛庁長官による管理
 ・法律、予算、防衛出動の命令などについての国会の民主的コントロール

専守防衛
 ・受動的な防衛戦略

節度ある防衛力の整備
 ・計画的・透明性の高い防衛力整備

海外派兵の禁止
 ・武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土などに派遣することの禁止

非核3原則
 ・核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず

軍事大国とならない
 ・自衛のための必要最小限の防衛力

Q5 諸外国の理解を得られますか?

1 諸外国において、国の防衛を担当する行政組織は全て省(Ministry, Department)であり、専任の大臣を置いています。

2 わが国は安全保障対話や防衛交流などを通じて、諸外国との相互理解を深めています。

3 省にすることはAgencyからMinistryに変わることであり、諸外国と同じように、わが国の危機管理や国際協力に取り組む体制を整えるものであることを説明していきたいと考えます。

(参考)諸外国の国防組織

・韓国(国防部:Ministry of National Defense)
・中国(国防部:Ministry of National Defense)
・モンゴル(国防省:Ministry of Defense)
・ロシア(国防省:Ministry of Defense)
・ベトナム(国防省:Ministry of Defence)
・フィリピン(国防省:Department of National Defense)
・インドネシア(国防省:Department of Defense)
・タイ(国防省:Ministry of Defence)
・マレーシア(国防省:Ministry of Defence)
・シンガポール(国防省:Ministry of Defence)
・インド(国防省:Ministry of Defence)
・パキスタン(国防省:Ministry of Defence)
・オーストラリア(国防省:Department of Defence)

→ これらの国々や、米国・英国など18ヵ国・機関と定期的に協議

Q6 省にする法律案はどのような内容になるのですか?

1 組織が「庁」から「省」に変わります。

2 防衛庁長官は「省」の大臣となり、「主任の大臣」としての権限をもつことになります。

3 自衛隊の任務にPKOや国際緊急援助活動などの国際平和協力活動を加えます。

(参考)省移行法案の概要

1 法案全体について
@ 庁から省への移行、
A 国際平和協力活動などの本来任務化、
B 安全保障会議の諮問事項の追加
を一括して措置します。

2 法案により変わること
@ 内閣府の長である「内閣総理大臣」の権限は「省の主任の大臣」の権限になりま
す。
 (閣議請議、予算の要求・執行、米軍に対する物品の提供など)
A 自衛隊法第8章の「雑則」にある国際平和協力業務などを第6章の自衛隊の行動
に規定します。
(国際緊急援助活動等、国際平和協力業務等、テロ特措法に基づく活動、イラ
ク復興支援特措法に基づく活動、機雷等の除去、在外邦人等の輸送、周辺事態
における後方地域支援など)

3 法案により変わらないこと
 内閣の首長である「内閣総理大臣」の自衛隊の最高指揮官としての権限は全く
変わりません。
(自衛隊の最高指揮監督権、防衛出動の命令、治安出動の命令など)

Q7 防衛施設庁の不祥事にきちんと対応していますか?

1 防衛施設庁の入札談合事案は国民の皆様の信頼を大きく損なうものであり、事態を厳しく受け止めております。

2 事案の再発を防止するため、行政上、組織上の問題点を洗い出し、抜本的な改革※を行うことを決定しました。
※ @ 防衛施設庁の解体と防衛本庁への統合
  A 全庁的な監査・監察機能の強化
  B 建設工事の発注手続きについての相互牽制機能の強化

3 改革を具体化するためには、予算や法律の改正が必要なものもあり、今後、必要な手続きを経て実現を図ります。

(参考) 防衛施設庁入札談合等事案への取り組み

18年3月   再発防止に係る抜本的対策の基本的方向を取りまとめ
       組織の改革に加え、
        @ 一般競争入札の拡大
        A 早期退職慣行の見直し
        B 防衛施設技術協会(公益法人)の自主解散
       などを決定    
18年4月   抜本的対策についての報告書の概案をとりまとめ防衛庁内での更なる検討

18年8月   概算要求政府部内の審議

19年通常国会 予算や予算関連法案を提出国会の審議

19年度中   新たな組織・体制が発足

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