衆議院本会議における額賀防衛庁長官及び麻生外務大臣発言


 在日米軍再編に係る日米協議に関する報告について(額賀防衛庁長官)

一 私は、四月三十日から五月三日まで米国のワシントンを訪問し、五月一日、日米安全保障協議委員会において、麻生外務大臣とともに、ラムズフェルド国防長官及びライス国務長官と協議を行いました。また、五月三日、ラムズフェルド国防長官と協議を行いました。

二 日米安全保障協議委員会においては、国際情勢、日米同盟の変革と再編、イラク人道復興支援を議題として、意見交換を行いました。私からは、在日米軍再編の確実な実現に向け、地元との調整を含め、しっかりと責任を果たしていく考えである旨表明しました。
また、イラクにおける自衛隊の活動につきまして、イラクが民主国家として自立することは、中東地域のみならず世界の安定に極めて重要であり、国際社会が協調してイラクを支援することが必要であることから、引き続き日米英豪の関係国間で緊密に連携していきたい旨発言しました。
 
三 日米安全保障協議委員会の共同発表におきましては、安全保障環境が変化していく中で、日米両国間で、弾道ミサイル防衛、両国間の計画検討作業、情報協力や国際平和協力活動等の分野で、二国間の安全保障・防衛協力の実効性を強化し、改善することの必要性や、自衛隊と米軍の相互運用性を向上することの重要性を確認いたしました。

四 また、在日米軍の再編について、日米安全保障協議委員会として、「再編実施のための日米のロードマップ」に記されております、二〇〇五年十月の日米安全保障協議委員会における再編案の実施の詳細を承認しました。
本再編案は、二〇〇五年十月二十九日の「日米同盟:未来のための変革と再編」における在日米軍及び関連する自衛隊の再編に関する具体的な計画の作成が完了したため、とりまとめられたものであります。 個別の再編を実施することにより、同盟関係にとって死活的に重要な在日米軍のプレゼンスが確保されることとなります。日米両国政府は、再編に関する費用を、地元の負担を軽減しつつ抑止力を維持するという、二〇〇五年十月二十九日の日米安全保障協議委員会文書におけるコミットメントに従って負担いたします。
実施に関する個別の合意事項としましては、第一に、沖縄における再編があります。普天間飛行場代替施設につきましては、二〇一四年までの完成を目標とし、辺野古崎とこれに隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置し、V字型に配置することで合意しました。普天間飛行場の能力代替として、新田原・築城両飛行場が緊急時に使用されます。また、在沖米海兵隊のグアム移転に関しましては、約八〇〇〇名の第三海兵機動展開部隊の要員と、その家族約九〇〇〇名を、二〇一四年までに沖縄からグアムに移転いたします。第三海兵機動展開部隊のグアムへの移転のための施設及びインフラの整備費算定額一〇二.七億ドルのうち、日本は、これらの兵力の移転が早期に実現されることへの沖縄住民の強い希望を認識しつつ、これらの兵力の移転が可能となるよう、グアムにおける施設及びインフラ整備のため、二十八億ドルの直接的な財政支援を含め、六〇.九億ドルを提供いたします。
さらに、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となりました。日米両政府は、二〇〇七年三月までに、統合のための詳細な計画を作成し、本計画において、キャンプ桑江、普天間飛行場、牧港補給地区、那覇港湾施設、陸軍貯油施設第一桑江タンク・ファームについては全面返還が、キャンプ瑞慶覧については、部分的な返還が検討されます。
また、キャンプ・ハンセンは、陸上自衛隊の訓練に使用され、航空自衛隊は、地元への騒音の影響を考慮しつつ、米軍との共同訓練のために、嘉手納飛行場を使用します。第二としましては、米陸軍司令部能力の改善であります。
キャンプ座間の米陸軍司令部は、二〇〇八米会計年度までに改編され、その後、陸上自衛隊中央即応集団司令部が、二〇一二年度までにキャンプ座間に移転します。この改編に関連しまして、キャンプ座間及び相模総合補給廠の一部が日本国政府に返還されます。
 第三は、横田飛行場及び空域に関してであります。航空自衛隊航空総隊司令部及び関連部隊は、二〇一〇年度、横田飛行場に移転します。また、横田空域の一部管制業務の日本側への返還がなされる一方で、関連空域の再編成等の包括的検討の一環として、横田空域全体についてあり得べき返還に必要な条件の検討等の措置を取ることが追求されます。
第四点目としましては、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐であります。第五空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は、二〇一四年までに完了し、海上自衛隊EP‐3、OP‐3、UP‐3飛行隊等の岩国飛行場からの移駐を受け入れるための必要な施設を整備します。
また、普天間飛行場に所在するKC-130飛行隊は岩国飛行場を拠点とすることとなりますが、訓練等は鹿屋基地及びグアムに定期的にローテーションで展開することとし、岩国飛行場に所在する海兵隊CH-53Dヘリをグアムに移転することとしております。
   第五点目は、ミサイル防衛に関してであります。ミサイル防衛に関しましては、それぞれの弾道ミサイル防衛能力を向上させることに応じて、緊密な連携が継続されます。また、新たな米軍のXバンド・レーダー・システムの最適な展開地として航空自衛隊車力分屯基地を選定し、本年夏までに、必要な措置や米側の資金負担による施設改修が行われます。さらに、米軍のパトリオットPAC‐3能力が、日本における既存の米軍施設・区域に展開され、可能な限り早い時期に運用可能となります。
   最後の点は、訓練移転についてであります。当分の間、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場の三つの米軍施設からの航空機が、航空自衛隊千歳基地、三沢基地、百里基地、小松基地、築城基地、新田原基地を拠点として行われる移転訓練に参加します。また、日米両政府は、共同訓練に関する年間計画を作成して参ります。
さらに、共同使用の条件が日米合同委員会合意で定められている自衛隊施設につきましては、共同訓練の回数に関する制限を撤廃しますが、各自衛隊施設の共同使用の合計日数及び一回の訓練の期間に関する制限は維持されます。

五 以上が、「再編実施のための日米のロードマップ」に記されております、在日米軍再編案の実施の詳細であります。

六 また、ラムズフェルド国防長官との協議では、米軍再編、イラク人道復興支援等につき、率直に意見交換を行いました。

七 米軍再編については、日米安全保障協議委員会において、米軍再編について最終とりまとめがなされたことを受け、今後、着実に実施していくことにつき、ラムズフェルド長官と認識が一致し、また、私より、一九九六年の日米安保共同宣言発出後、当時予想していなかった事象が次々に起こっていることを指摘しつつ、日米防衛・安全保障協力の大きな目的、理念を示すことが重要であることを指摘しました。

八 イラクにおける今後の自衛隊の活動につきましては、イラク全般の政治プロセスの進展状況、治安権限委譲の状況等を踏まえて考えていく旨発言しました。

九 今後、米軍再編につきましては今般の日米安全保障協議委員会における合意を実現していくことが課題となります。また、日米安全保障協議委員会の共同発表に示されているように、変化する安全保障環境において、確固たる同盟関係を確保するとともに、様々な課題に対応するよう同盟の能力を向上するため、日米安全保障・防衛協力の在り方といった点を含め、政府全体としてしっかりと検討していく必要があると考えますので、関係各位のご理解とご協力とお願い申し上げます。

日米安全保障協議委員会出席報告について(麻生太郎外務大臣)

去る五月一日に米国ワシントンD.C.にて開催された、日米安全保障協議委員会、いわゆる「2+2」について、御報告します。

今般の「2+2」には、日本側より私と額賀防衛庁長官が、米側よりライス国務長官とラムズフェルド国防長官が出席しました。
会合では、日米同盟が日本及びアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠な基礎をなしており、グローバルな問題に対処する上でもますます重要となっていることを改めて確認しました。
世界及び地域の情勢に関しても意見交換を行いました。その中で、イラクの復興及び民主化、アフガニスタンにおけるテロとの闘いについて国際協力の重要性を確認しました。その際、米側よりは、自衛隊の派遣等の日本の支援に対する感謝の意が示されました。
また、イランの核問題の外交的解決に向け、イランに対してウラン濃縮活動の停止を求めるなど、IAEA及び国連安保理を通じた国際協力の重要性を確認しました。
北朝鮮については、六者会合における共同声明の実施が重要であることを確認しました。米側より、拉致問題をはじめとする北朝鮮の人権問題に高い関心を有しているとの発言がありました。なお、当方より、拉致被害者家族の訪米に当たり、ブッシュ大統領をはじめ米側関係者の対応に謝意を表明しました。
中国については、軍事費増大に係る透明性が重要であることや、国際社会における責任ある「利害関係者」としての役割が期待されるとの認識を確認しました。

更に、今般の「2+2」においては、昨年十月の「2+2」で発表した在日米軍の兵力態勢再編案について、その実施のための具体的計画を閣僚レベルで承認しました。この計画は、抑止力を維持しつつ、地元負担の軽減を実現する具体的道筋を描くものであり、今日の安全保障環境において日米安保体制を一層強化する上で、極めて大きな意義を有すると認識しています。

今回のいわゆる最終取りまとめによって、兵力態勢再編に関する日米間の協議自体は、一つの区切りがついた形になりますが、今回の会合後発表した共同発表文にもあるとおり、今後、この再編の計画や、計画検討作業等の役割・任務・能力に係る取組を着実に実施していくことが、極めて重要です。
政府としては、今後とも、これらの取組の意義について、国会での審議等を通じ、国民の皆様にしっかりと御説明していくとともに、関係省庁間で連携しながら、着実な実施に努めていきたいと考えています。

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