|
|
|
Q1 日本の防衛にとって、日米安保はどんな意味を持っているのですか。 1 今日の国際社会では、各国とも自国の力だけで国の平和と独立を確保しようとすれば、核攻撃からテロ攻撃まで、あらゆる事態に対応できる防衛態勢を構築することが必要です。しかし、こうした態勢を築くためには、莫大な経費がかかるほか、平和国家として、他国に脅威を与える軍事大国にならないという我が国の政治理念の面からも問題があります。 2 このため、我が国は、米国と同盟関係を結び、その抑止力を日本の安全のために役立てることで、自衛隊の保持と合わせて隙のない態勢を築くことにしています。 3 特に、我が国の場合には、憲法との関連で、大陸間弾道ミサイルや長距離戦略爆撃機といった攻撃的兵器は持たないこととしているので、核ミサイル攻撃等に対する独自の抑止力を持つことができません。また、国外の敵基地を攻撃するのも、事実上困難です。 4 こうした認識から、日本は米国との間で日米安保条約を締結しています。その第5条により、米国は日本の平和を守ることとなっており、また第6条に基づき、我が国の安全及び極東における国際の平和と安全の維持のため、在日米軍が我が国に駐留しているのです。 Q2 米軍は、今でも日本に駐留する必要があるのですか。 1 冷戦終了後、既に17年もの歳月が経過しましたが、アジア太平洋地域では、政治体制・民族・宗教など多様性に富み、また、脅威認識等も各国によって様々なことから、ヨーロッパとは異なり、冷戦終結に伴う安全保障環境の大きな変化は見られていません。 2 こうした中、日米同盟、特にその中核をなす在日米軍は、引き続き、日本の安全にとって必要不可欠であるのみならず、地域や国際社会の平和と安定にとっても重要な役割を果たしているのです。 Q3 米国は、なぜ世界的な軍事態勢の見直しを行っているのでしょうか。 1 米国は、現在、9・11テロのような国際テロの脅威、北朝鮮の核問題等大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散といった近年における国際的な安全保障環境の変化や、精密誘導兵器、情報ネットワークなど、遠隔地からの迅速・正確な攻撃を可能とする軍事技術の進展に応じて、軍の「変革」(トランスフォーメーション)を進めています。 2 このトランスフォーメーションの一環として、米国は、2003年11月のブッシュ大統領の声明において、同盟国などとの緊密な連携の下、海外における米軍配置を含む軍事態勢全般の見直しを進めることを表明しました。 3 今回の在日米軍の兵力態勢の見直しは、こうした流れの一環として行われるものです。 Q4 米軍再編について、日本はどのように考えていますか。 1 9・11テロ後の世界は、国際テロの脅威、大量破壊兵器の拡散や弾道ミサイル攻撃の危険など、新たな脅威に直面しています。 2 こうした中、日本の平和と地域の安定を確保していくためには、我が国自身の防衛努力だけでなく、米国との同盟関係により、その抑止力を日本の安全のために役立てることが必要です。在日米軍は、そうした抑止力の中核をなすものですが、その安定的な駐留を維持していくためには、国民による支持が必要不可欠です。 3 在日米軍の駐留開始以来60年の間、我が国の社会情勢は大きく変化しており、例えば、厚木飛行場は今や人口240万人もの大都市圏の直中に位置しています。 4 今回の在日米軍の態勢見直しは、日米同盟が新たな安全保障上の諸課題に的確に対応していけるようにするものであり、米軍の再配置等を通じて、沖縄などの負担軽減と同盟の抑止力維持を実現するためのものです。我が国として、是非とも実現していくことが必要です。 Q5 在日米軍の態勢見直しに関する日米間の合意を実現するのに、どれくらいの期間と経費がかかりますか。 1 今般、日米間で合意された最終とりまとめでは、在日米軍の態勢見直しの具体案について、実施すべき時期が事業毎に個別に決まっています。 2 また、必要となる経費については、引き続き、各事業における米側の施設所要の詳細等について実務レベルで協議・検討していく必要があります。 Q6 国の財政がことのほか厳しいなか、なぜ敢えてお金のかかる在日米軍の態勢見直しを行うのですか。 1 今回の在日米軍の態勢見直しは、日米同盟が新たな安全保障上の諸課題に的確に対応していけるようにするとともに、米軍の再配置等を通じて地元の負担を軽減しようとする取組であり、我が国として、是非とも実現していくことが必要と考えています。 3 米側がグアムの移転費の75%を日本に負担して欲しいということでしたが、日本側は、グアム移転に関して、何が本当に必要なのかをという観点からしっかりと主張をしました。さらに、直接の財政支出を抑えるよう融資等の仕組も考えました。 4 今回の取組は、所要の財政支出を伴いますが、これについては、一度に支出するのではなく、再編の実施過程で複数年度に分けて支出していきます。また、所要経費についても、必要最小限に抑えるよう努力していく考えです。 Q7 なぜ、日本は在沖海兵隊のグアム移転経費を負担するのですか。 1 今回の在沖海兵隊のグアム移転は、在日米軍基地の75%が集中する沖縄の負担の軽減を踏まえ、米側と交渉の結果、合意に至ったものであり、日本側が積極的に米側に働きかけた成果です。 2 我が国の負担額は、米海兵隊のグアム移転に伴い必要となる施設の所要経費を積み上げた形で算出したものであり、米国も応分の財政分担をします(※※)。グアムに移転する米海兵隊は、引き続き、我が国及びアジア太平洋地域の平和と安定のために機能します。 3 いずれにしても、厳しい財政事情の中での負担となりますので、米国との間で細部を調整し我が国が負担すべき経費の内容の詳細をきちんと精査した上で、国民の皆様の御理解が得られるように説明をしてまいります。 Q8 今回の在日米軍の態勢見直しによって、自衛隊と米軍との「一体化」がすすみ、自衛隊の海外派兵や集団的自衛権行使に繋がることはないでしょうか。 1 今回の在日米軍の態勢見直しは、9・11テロ後の新しい状況を踏まえ、国際テロの脅威、弾道ミサイル攻撃の危険性、そして国際的な大規模災害への対応など、安全保障上の新たな課題に、同盟関係にある日米両国が的確に対応していけるようにしようとするものです。 2 今回の再編では、日米の司令部間の連携強化や共同訓練の増加などを行うこととしていますが、これらの取組も、新たな安全保障環境における様々な課題に対して、日米同盟がより効果的に対応していくための取組です。 3 これらの取組については、昨年10月の「2+2」共同文書に、二国間の協力は「関連の安全保障政策及び法律並びに日米間の取極に従って強化され」る旨明記されているとおり、我が国においては、専守防衛など、確立された防衛政策の範囲内で実施していくこととなります。 Q9 一部の地方公共団体が反対を続けているなか、どうやって今回の合意を実現させていくのでしょうか。 1 今回の日米間の協議に際しては、抑止力の維持と並んで、地元負担の軽減を大きな柱としています。先にも述べましたが、在日米軍の駐留開始以来60年の間、我が国の社会情勢は大きく変化しており、例えば、厚木飛行場は今や人口240万人もの大都市圏の直中に位置しています。 2 こうした負担を軽減していくため、今回の取組では、例えば、厚木飛行場所在の空母艦載機については、滑走路の沖合移設後の岩国基地に移駐させることとしています。 3 防衛政策は国の専管事項ではありますが、今回の在日米軍の態勢見直しについては、地元の皆様をはじめ、国民の皆様のご理解を得るよう最大限の努力をしていくことが必要です。 Q10 今回の在日米軍の態勢見直しに関して、周辺諸国の理解を得られるのでしょうか。 1 今回の在日米軍の態勢見直しは、新たな安全保障環境における様々な課題に対して、日米同盟がより効果的に対応していくための取組であり、我が国の安全と地域の平和と安定に資するものです。 2 その実施に当たっては、昨年10月の「2+2」共同文書に、二国間の協力が「関連の安全保障政策及び法律並びに日米間の取極に従って強化され」る旨明記されているとおり、我が国においては、専守防衛や海外派兵の禁止など、確立された防衛政策を遵守していくこととなります。 3 我が国自衛隊は、カンボジアPKO以来十余年にわたるPKO、インド洋における給油活動、イラク人道復興支援等に参加し、海外における活動の実績を重ねていますが、その間、各派遣部隊は一度たりとも戦火を交えたことはありません。 4 今後、周辺諸国に対しては、説明の機会を積極的に設けるなどして、こうした点について十分に説明を行っていく考えであり、透明性を十分に確保しながら今後の取組をすすめていくよう努めていきたいと考えています。 1 今回の在日米軍の態勢見直しでは、国際テロ、大量破壊兵器・弾道ミサイルの拡散といった新たな脅威の出現など、新たな安全保障環境に日米が協力して対応するため、日米安全保障・防衛協力における自衛隊と米軍の役割・任務・能力に関して、 2 その上で、防空・弾道ミサイル防衛、PSI(拡散に対する安全保障構想)を含む拡散阻止活動、テロ対策など、向上すべき活動の例を具体的に示すとともに、緊密・継続的な政策・運用調整、計画検討作業の進展、情報共有・情報協力の向上など、日米間の安全保障・防衛協力の態勢に関して平素からとるべき不可欠な措置を明らかにし、これにしたがって、今後の日米安全保障・防衛協力を進めていくこととしています。 Q12 今回の在日米軍の態勢見直しは、日米安保条約の枠組みを超えることにはならないのでしょうか。 1 今回の在日米軍の態勢見直しについては、昨年10月の「2+2」共同文書に、二国間協力は「関連の安全保障政策及び法律並びに日米間の取極に従って強化され」る旨が明記されているほか、本年5月1日の「2+2」共同声明にも、「日米安全保障条約及び関連取極を遵守しつつ」実施していく旨が明記されているとおり、日米同盟の目的等を変えるものではありません。 2 したがって、今回の取組により、「極東」の範囲や「盾と矛」と呼ばれるような日米安全保障・防衛協力における両国の基本的な役割分担など、日米安保に関する従来の考え方が変わることはありません。 |