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民主党は、社保庁不祥事で村瀬長官の辞任を迫っていますが、これはとんでもないことです。根底には、社保庁職員(労組)と民主党の関係があるようです。以下、読売新聞(5月31日)の社説を掲載します。
[社保庁不祥事]「村瀬路線の否定は筋違いだ」
国民年金の保険料を不正に免除する行為は、やはり、いたるところで行われていた。
全国26都府県の社会保険事務局で、合計11万4000件とはあきれる。これで全部と信じるわけにもいかない。
昨年7月に、東京・板橋の社保事務所から26人分の不正免除が報告されていたにもかかわらず、社会保険庁は、1担当者の例外的な不正と軽視していた。
今年3月には京都の事務局で組織的な不正免除が発覚した。この時は全国調査を行ったものの、各事務局からの「不正なし」の虚偽報告を鵜呑(うの)みにした。
広範に行われていた不正を早期に把握できなかったことについて、村瀬清司長官に管理責任はあったと言えよう。
だが、保険料の納付率向上を号令する村瀬長官の路線が不祥事を招いた、とする民主党などの主張はおかしい。追及の矛先を誤っている。
経済界から村瀬長官が就任する以前の社保庁は、緩みきっていた。
職員労組との間で、100件以上の覚書を交わして、怠業を認めるに等しい労働条件を取り決め、業務は非効率を極めていた。著名人の年金情報をのぞき見して外部に漏らし、組織ぐるみで年金制度啓発冊子の「監修料」を稼ぐなど、規律も乱れきっていた。
この組織の、ぬるま湯体質を変えることが、村瀬長官に求められていた。覚書は破棄され、民間企業にならって、業務には成果主義を導入した。
村瀬長官は、60%台まで低下した保険料の納付率を80%まで回復させる、という目標を掲げた。年金制度を維持するためには、何としても達成しなければならない数字だ。
全国の社会保険事務局に向けて出した叱咤(しった)激励する号令文も、特に行き過ぎた内容とは思えない。
問題は、各地の社保事務所が、楽をしながら納付率を上げるために、本人に無断で保険料免除の書類を不正に作成したことにある。事務局長など社保庁官僚はそれを黙認していた疑いが強い。
村瀬路線が要求する「ノルマ」が不正の原因、などという見方は、怠業に慣れきった集団の言い訳を認めるものだろう。責任転嫁と言うしかない。
民主党は、村瀬長官の辞任を要求しているが、それで笑うのは誰か。民間出身長官を追い出して、ぬるま湯に戻したいと願う社保庁官僚たちではないか。
不祥事の底流にあるものを、見誤ることなく追及すべきだ。年金制度への信頼を取り戻すため、社保庁改革を後退させることはできない。
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