民主党の憲法改正・国民投票法案への批判


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 与党(自民・公明)は、5月26日、日本国憲法の改正手続に関する法律案(議員立法)を国会に提出しました。
 それに対して、民主党は当初、三党の共同提案を予定していましたが、小沢代表になってから方針が転換され、違いを明確にするとの立場から、独自に民主党案を提出しました。
 与党案と民主党案の違いは、
@民主党案は、憲法改正の他に一般投票も含むというもの。
A与党案は国民投票権を20才以上としているのを、民主党案は18才以上としていること。
B投票方式で、民主党案は、なにも書かない白票を有効として反対票に加えるというもの。これだと反対が増えることになる。
その他として、過半数の定義、国民投票の罰則の幅で若干開きがあること。
 以上、3点が大きな相違点です。
この民主党案を新聞が批判していました。以下、紹介します。

産経新聞(6月2日)は、「民主対案、疑問点多く」との記事を掲載しました。
その中で、駒沢大の西修教授(憲法学)は、
憲法改正手続き以外の重要問題での国民投票を明記したことについて、「重要な国政に関する国民投票は本来、憲法事項。憲法を改正した上で規定すべきで、唐突すぎる」と批判する。
民主党が白票を反対票とすべきだと主張している点については「賛成か反対か分からない票を全部反対とするのでは、憲法改正をさせない意図が働いていると言わざるを得ない」―と指摘しています。

次に、読売新聞社説(6月5日付)も、[国民投票法案]「『憲法改正』に限るのは当然だ」とのタイトルで民主党案を批判しています。
ここで問題にしているのは、国民投票の対象範囲で、与党案では憲法改正だけが対象ですが、民主党案は、「直接民主制を補完的に導入する」として、国政上の重要な問題も国民投票の対象としている点です。
以下、社説の全文を掲載します。

 長年の政治の不作為を解消するため、ようやく国会が動き出したということだろう。
 憲法改正の手続きを定める国民投票法案が初めて国会に提出され、今後、本格的な審議に入ろうとしている。
 本来、超党派で成立させるべき法案である。与党と民主党が別々に提出したのは残念だが、早期成立へ、精力的に修正協議を進めてもらいたい。
 与党案と民主党案の主要な相違点は、国民投票の対象範囲や投票年齢、投票用紙への賛否の記載方法などだ。
 最も問題なのは、国民投票の対象範囲だ。与党案では憲法改正だけが対象だ。民主党案は、「直接民主制を補完的に導入する」として、国政上の重要な問題も国民投票の対象としている。
 これまでの民主党内の議論では、一般の政策だけでなく、皇室制度に関(かか)わる問題や家族制度、重大な外交関係の変更なども投票のテーマに挙げられている。
 だが、民主党の小沢代表は、国民投票法は憲法改正の「手続き法」だと言う。その手続き法に、国政問題に関する国民投票という、まったく異質な規定を置くのは、筋が通らない。
 そもそも、国政の問題に関する国民投票の実施は、議会制民主主義という日本の統治原理に反する。憲法の前文は「国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する」としている。
 消費税率引き上げのような国民に負担を求める政策で対立した場合、反対する政党が国民投票の実施を求め、国民の「意思」を名分に政策の実現を阻むことも想定される。
 これでは、大衆迎合政治に陥る恐れがある。長期的に不可欠な重要政策の遂行を妨げ、大きな政治的混乱をもたらすことにもなる。
 民主党内でも、論議の過程で「迅速な政策上の意思決定を遅らせる恐れがある」などと懸念する意見もあったという。もっともなことだ。
 民主党案は、国政問題の国民投票の結果は「国及びその機関を拘束しない」との条項を置いている。党内外にある疑問や懸念への配慮があるのだろう。
 だが、それでも、政府や国会は、投票結果を無視できず、政治的な制約を受けざるをえまい。単に、国民の意見や考えを広く知るのが目的なら、世論調査でも十分可能なことだ。
 投票年齢や、投票用紙への賛否の記載方法などで接点を見いだすのはそう難しくないはずだ。民主党は問題の多い国政に関する国民投票にこだわらず、早期成立への環境を整えてもらいたい。


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