時代に遅れる小沢・民主党


ウインドウを閉じる

 朝雲新聞(9月21日付)の「時の焦点」に政治評論家の鶴丸 仁氏のコラムに「民主小沢代表の再選」という記事が載りました。見出しは、「時代のほうが先を行く」というもの。以下、全文掲載します。

 最近の小沢民主党代表の言動にはクビをかしげざるを得ない。
 たとえば、無投票で代表再選が決定した後の記者会見で、記者団から憲法改正について聞かれて、こう語っている。
 「世論調査の動向を勘案し、政策というのも国民の関心の強いもの、それにどう答えるか。必ずしも国家機能としての優先順位とは一致しないが、選挙が政権を決める以上、そういうことも加味しなければならない」
 つまり、国民受けしない政策は掲げないということだ。確かに、小沢氏の発表した政策は主要な農作物について市場価格が生産費を下回った場合、その差額を各農家に支払う「個別所得補償制度」の創設、「子ども手当」「親手当」と、バラマキ的な政策が目立つ。
 公務員制度改革に触れていない。支持団体の自治労への配慮からか、と勘ぐりたくもなる。
 消費税収をすべて社会保障の財源に充てるというが将来膨らむ社会保障費にどう対応するのか。
 集団的自衛権に関しては「個別的であれ、集団的であれ、我が国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する」という。党内には「『急迫不正の侵害』とは、個別的自衛権の事態であることは常識だ。結局、小沢氏は護憲派なんだ」とぼやく声もある。憲法改正の方向も明確ではない。
 小沢氏は、「普通の国」を唱え、かつては時代の先端を走っていた。
 だが、もはや時代のほうが先を行き、「古い永田町の代表」(安倍官房長官)の感もある。
 小沢氏の狙いは明確だ。参院選で野党が過半数をとる。その一点だ。
 与党は、先の衆院選勝利で衆院では三分の二の勢力がある。法案は参院で否決されても、衆院で再議決して成立させることができる数だ。
 だが、次期参院選で与党が参院過半数割れになると、議長も議院運営委員長も野党に取られ、衆院通過した重要法案は審議入りできない。審議入りしても、ゆっくり審議され、会期末に廃案となりかねない。国会運営は行き詰まる。政局が緊迫する。「壊し屋」小沢氏の血が騒ぐのだろう。
 それに向けて、基本政策を巡って「寄り合い所帯」がごたごたし、党内に摩擦、亀裂を生むのは得策ではないのだ。
 実際、小沢氏は「要は一致団結し、国民の支持を得られるようにすることが大事だ」と言う。
 だが、ちょっと待って欲しい。民主党の何を支持するのか。
 世論に迎合し、安全保障や憲法改正といった国家の根幹にかかわる政策を明確にできない党に、困難な時代の国の未来を有権者が託す気になれるだろうか。日本の安保環境は厳しさを増している。有事に適切な対応がとれるのか。
 若手議員たちは一体何をしているのか。
 「小沢流」にすっかり平伏しているようで情けない。

ウインドウを閉じる