「ああ、民主党!」・審議拒否


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 教育基本法案、野党の国会審議拒否について、政治評論家の花岡信昭氏のメルマガ「ああ、民主党!」の全文を掲載します。さすが、著名な政治評論家の分析は明快です。

 もう言葉もない思いである。国会審議が全面ストップした。教育基本法改正案は衆院の特別委員会、本会議で民主党をはじめとする野党抜きで可決された。
 野党はあらゆる審議を拒否、完全に「寝て」しまった。永田町用語では、審議拒否を「寝る」、審議再開に応じると「起きる」と称する。なにやら55年体制時代の亡霊を見る思いである。
 われわれが永田町を駆けずり回っていたころは、審議拒否、強行採決が日常茶飯事であった。「何でも反対」の社会党が相手だから、強行採決以外に事態打開の手法はない。
 竹下(登)さんあたりは、国会がストップすると、新聞記者と同じように議員宿舎の社会党幹部の部屋へ「朝回り」したりする。向こうは恐縮して、強行採決の段取りの「談合」に応じる。すべて、「よき時代」の大人の知恵であった。
 そんなことを考えていて思いだすのだが、強行採決はだいたい午前11時半ごろと決まっていた。合図を決めておいて、与党議員が一斉に委員長席にかけより委員長を保護する。若いころの金丸さんなどはあの大きなからだで、野党議員を吹っ飛ばす役割を負った。
 なぜ11時半ごろかというと、11時55分になるとNHKの中継が天気予報になってしまうからである。タイミングが難しかった。
 強行採決が行われることはひそかに伝えられていたから、慣れている人は一番古い背広を着ていく。もみあいで破れてもいいように。あるいは「先のとがったクツ」を履いていく。蹴飛ばしやすいからである。
 今回ははなから野党が委員会、本会議とも欠席したから、そういう場面はなかったが、だから許されるというわけではあるまい。実態は同じである。

 民主党は沖縄県知事選を前に「野党共闘」を優先させた。共産党や社民党は教育基本法改正にもともと反対だから、どう行動しようがかまわない。
 すでに審議時間は100時間を超え、民主党は対案を提案していた。与党案よりも「愛国心」をきちんと盛り込むなど、優れているという評価もあった。

 どう考えても民主党は方向感覚を失っているとしか思えない。

 そこで、いつの時点で「起きる」か。沖縄県知事選の19日を過ぎれば、いつでもいいわけだが、週明け草々に起き出したら、カッコがつかない。幸いに、というべきか、来週は23日の木曜が休日である。週後半は連休のようなかたちになる。したがって、1週間ストップしても目立たない。

 それ以上、空転させると、いよいよ「政局」になる。民主党にどこまで覚悟があるか。これを本当に「政局」にするのだったら、会期末まで寝ていたら、ホンモノになるのだが、そんなことをやれば国民の非難を一身に浴びるのは目に見えている。

 安倍首相はまたひとつのポイントを稼いだように見える。「あいまい戦術」などによって保守派の間に不満もあったのだが、採決の断行によって「決断する首相」というイメージを構築できた。

 与党単独可決をめぐる各紙の社説は二分した。

 与党に批判的なのは、朝日「この採決は禍根を残す」、毎日「教育の『百年の大計』が泣く」、東京「国民の理解が必要だ」。
 逆に、野党に批判的なのは、読売「野党の反対理由はこじつけだ」、産経「やむをえぬ与党単独可決」。

 まあ、いいところ、「睡眠時間」は1週間もたせるのがやっとだろう。「タウンミーティングのやらせ質問」「未履修」「いじめ自殺」の集中審議が「起きる」材料となる。そのあたりの展開が見えているから、なんともいやになる。

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